事業承継の手法
事業承継の手法としては、（１）親族内への承継、（２）従業員や外部への承継、（３）Ｍ＆Ａ（株式の譲渡、事業譲渡、合併、会社分割など）という３つの手法にわけることができます。そして、それぞれの手法毎に、後継者やその関係者も多様となってきます。ただ、これらいずれを選択する場合であっても、大切なことは、後継者候補や会社関係者に対して、事業承継に関する経営者の意向をきちんと伝えて理解してもらっておくということ...
View Article後継者争いと事業承継
事業承継においては、さまざまなトラブルがよく生じます。たとえば、同一の社内に長男と次男がいるような場合に、次男を後継者にしようとしていたにもかかわらず、突然に長男が後継者として名乗り出てくることもあります。これは典型的な後継者の地位を巡った対立といえます。この対立が深刻化すると、いわゆる派閥争いが生じて会社経営全体にも支障が生じることがあります。このような問題は、たとえ遺言を活用したとしても起こりう...
View Article事前説明の重要性
遺言は、事業承継に係るトラブル防止のための有効なツールですが、遺言を作成していても、事前の意思の伝達がないままに経営者が死亡して相続が開始し、親族が予想していなかった内容の遺言が出てきた場合には、相続人間で遺言の有効性や遺留分をめぐったトラブルが生じる可能性があります。実際、事業承継をめぐった遺産分割調停事件などの数は非常に増えています。経営者本人の意向が生前にきちんと相続関係者に事前に理解されてお...
View Article事業承継に先立つ説明の重要性
事業承継に先立ち、経営者は、後継者候補としてリストアップした者だけでなく、その親族、幹部役員などの事業に関係する者の意向を聴取するべきです。加えて、経営者自身の考え方をきちんと説明し、相互にコミュニケーションを図っておくことが、後のトラブルを防ぐうえできわめて重要です。いうまでもなく、事業承継というのは、個人の資産の承継にとどまる問題ではありません。会社の従業員、その家族を含めた広範囲の人達にまで影...
View Article事業承継の相手（親族か否か）
事業承継の方法は、その相手方によって「親族内承継」か「親族外承継」かに大別されます。そして、「親族外承継」はさらに「従業員や外部への承継」と「Ｍ＆Ａ」に大別されます。２０年前には９割以上の事業承継が親族内承継でした。しかし、近年の傾向としては、「親族内承継」の比率が年々低下し、「親族外承継」の割合が増加しており、全体の４割程度の水準に達していると言われています。もちろん、依然として親族内へ承継するケ...
View Article親族に事業承継をするメリット・デメリット
親族に事業承継をするメリットとしては、後継者を早期に決定して後継者教育等のための長期の準備期間を確保することも可能であること、他の方法と比べて一般的に内外の関係者から心情的に受け入れられやすいこと、相続等により財産や株式を後継者に移転できるため、他の方法と比べて、所有と経営の分離を回避できる可能性が高いことなどが挙げられます。他方、親族に事業承継をするデメリットとしては、相続人が複数いる場合の、後継...
View Article親族以外の従業員などに事業承継するメリット・デメリット
親族以外の従業員や外部の者へ事業承継をするメリットとしては、社内で長期間勤務している従業員に承継する場合はその者の実力も把握できるし経営の一体性を保つことも容易であること、親族内に後継者に適任な者がいない場合であっても会社の内外から広く候補者を求めることができることなどが挙げられるでしょう。他方、親族以外の従業員や外部の者へ事業承継をするデメリットとしては、経営者が銀行借入などの際に会社の保証人とな...
View ArticleM&Aによる事業承継のメリット・デメリット
Ｍ＆Ａとは企業の合併・買収のことです。具体的には、株式を譲渡したり、事業を譲渡したり、合併や会社分割などをすることを意味します。従来は、中小企業にとってはＭ＆Ａはなじみの薄いものでしたが、最近では中小企業のＭ＆Ａの件数は増加しており、事業承継の方法の一つとしても浸透してきています。Ｍ＆Ａによる事業承継のメリットとしては、現経営者が会社売却の利益を獲得できること、身近に後継者に適任な者がいなくても広く...
View Article事業承継計画の重要性
事業承継の方法や承継後継者が決まったからといって、それだけでは事業承継は成功しません。事業承継を含む中長期の経営計画をきちんと立て、着実に準備を進めていくことが重要です。きちんとした事業承継計画を立てれば、その過程で経営者と後継者のやるべきことを整理して再確認することができます。また、後継者の社内業務全般の理解や経営幹部等への認知など、後継者の育成や基盤作りを行うこともできます。さらには、顧客、金融...
View Article事業承継における経営理念共有の重要性
事業承継の本質は、経営者の経営に対する想いや価値観、態度、信条といった会社の根本をなす経営理念をきちんと事業の後継者に伝えていくことです。この経営理念の伝達を通じて、経営者と後継者、経営幹部の次世代に向けての目標を一致させることができるのです。したがって、事業承継計画の立案の前に、経営理念を明文化し、「何のために会社を経営をするのか」ということを後継者にも十分理解してもらいましょう。そして、事業承継...
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